「蒸籠(せいろ)」って、名前は聞いたことあるけど、どんなものかピンと来ない方もいるかもしれませんね。簡単に言うと、蒸し料理を作るための調理器具です。竹や木でできた丸いカゴのような形をしていて、お鍋の上に置いて使います!このシンプルな道具が、実はとっても優れものなんです!今回の記事では、蒸籠を使い始めようとされている方に向けて、蒸籠を使うメリットをはじめ、使い方(蒸す、洗う、保管する)、選び方のポイントまでを簡単にみていきます。

Contents
蒸籠(せいろ)を使うメリット

蒸籠には、他の調理器具ではなかなか出せない魅力がたくさんあります。筆者も山一さんの蒸籠を愛用しておりますので、その魅力にドはまりしております。ここでは、一般的なメリットと筆者自身のレビューも含めて蒸籠の魅力をお伝えします。
ヘルシーな調理法である
蒸籠を使うと、油を使わずに素材を蒸すことができます。これは、健康志向の方にとってはかなり嬉しいポイントですよね。余分な脂が落ちるので、カロリーを気にしている方にもピッタリ。しかも、蒸すことで食材に含まれる栄養が流れ出にくいので、ビタミンやミネラルをしっかり摂取できるんです。
素材の風味を活かせる
蒸し料理の一番の魅力は、なんと言っても素材そのもののおいしさを引き出せること。お肉もお魚も野菜も、蒸すだけでふっくらジューシーに仕上がります。例えば野菜なら、鮮やかな色がそのままで、シャキッとした食感と甘みがグッと引き立つんですよ。調味料を使わなくても満足感があるから、素材本来の味を楽しみたい方にはもってこいです。
中華蒸籠の魅力について「山一さんの蒸籠を使ってみて・・・」
伝統技法「鉋仕上げ」のこだわりでつくる山一の中華蒸籠

山一さんの中華蒸籠は、江戸時代から続く伝統技法「鉋(かんな)仕上げ」にこだわって作られています。
現代では効率的な「バフ仕上げ」が主流ですが、鉋仕上げは非常に手間がかかるうえ、高い技術が必要とされる作業です。
この手仕上げによって、蒸籠の側面はつやつやと輝き、美しい見た目を生み出しています。 木の素材そのものの個性を最大限に引き出そうとする職人の情熱が伝わってくるのも、山一さんの作品ならではの特徴と言えるでしょう。
「檜」の魅力
蒸籠に使用される木材には、杉、竹、檜などがありますが、筆者の愛用している山一さんの蒸籠は、国産の檜を素材に使っています。
檜は厚みのある淵が特徴で、耐久性が高く、杉や竹に比べて蒸気を逃しにくい構造になっています。 また、檜独特の良い香りが、蒸し料理をさらに引き立ててくれます。
適切にお手入れすれば、一生モノとして使える強度を持っているのも魅力です。 確かに檜の蒸籠は杉や竹に比べて価格が高いですが、筆者は「大事に使ってずっと一緒に…」という気持ちで思い切って購入しました! (笑)
高機能な「のせ蓋タイプ」

筆者が使用している中華蒸籠は「のせ蓋タイプ」です。この蒸籠では食材をセットする部分が「身」と呼ばれる本体で、蓋と本体2つを組み合わせて使用します。 使う際は、下から順に「身→身→蓋」と3段重ねの形になります。
特徴的なのは、蓋と上段の本体の間にできる広い空間です。 この設計により、高さのある食材や器も余裕で入れられます。 さらに、本体1つの上にひっくり返した本体を重ねることで、さらに高さのある空間を作り出すことが可能です。
この柔軟な使い方によって、中華蒸籠の「身の低さ」を十分にカバーできるため、どんな食材にも対応できる汎用性を持っています。
結局、中華蒸籠は「良いところ尽くし」・・・
筆者は、中華蒸籠のコンパクトさと、使い方次第で和蒸籠のような機能性をカバーできる点に大きな魅力を感じています。
我が家では、山一さん製造のお櫃や米とぎ桶と一緒に保管していますが、その凛とした佇まいは、キッチンのインテリアとしても楽しめるほど美しいです。「最初に買うなら中華蒸籠!」と自信を持っておすすめします。 手軽に蒸し料理を楽しみながら、その美しさも堪能できる中華蒸籠は、日常をより豊かにしてくれる存在です。
蒸籠を使うメリットをしっかりご理解いただけたところで、次はどんな種類があり、どれを選べばよいのか解説していきますね。
蒸籠の種類と選び方について

「蒸籠(せいろ)って種類が多くて、どれを選べばいいか迷っちゃう…」そんな声をよく耳にします。でも、大丈夫です!自分のライフスタイルや料理の好みに合わせて選べば、あなたにピッタリの蒸籠が見つかりますよ。それでは、一緒に選び方を見ていきましょう!
材質別の特徴をチェック!
まずは、蒸籠の材質から。素材によって特徴が違うので、使い勝手やお手入れのしやすさを考えて選びましょう!
- 竹の蒸籠
軽くて扱いやすいのが竹の魅力。蒸すとほんのりとした香りがついて、料理を一段とおいしく感じられるんです。初心者さんにもおすすめ! - 杉の蒸籠
「ちょっと良いものを長く使いたい」という方にピッタリ。杉の蒸籠は耐久性が高く、使い込むほど味わい深くなるデザイン性もポイント。どんなキッチンにも馴染むナチュラルさが素敵ですね。 - 桧(ひのき)の蒸籠
高級感が漂う桧の蒸籠。抗菌性もあるので衛生的に使えるのがうれしいポイントです。プレゼントにも人気ですよ!
種類別の特徴を知ろう!
次に、蒸籠の種類についてお話します。中華蒸籠と和蒸籠、それぞれの良さがあるんですよ。
- 中華蒸籠
中華蒸籠は広めのサイズが特徴で、餃子やシュウマイ、蒸しパンなど、料理の幅がとにかく広いんです!たくさん作りたいときやパーティー料理にも大活躍。 - 和蒸籠
和食派の方はこちら。サイズ感が控えめで、茶碗蒸しやおこわなど、繊細な和食に最適。日本の食卓にしっくり馴染むのも魅力ですね。
せいろのサイズの選び方も大事!

サイズ選びはけっこう重要なんです!そして、意外と苦戦します。というより、鍋やら蒸籠本体やら、蒸し板やら、巡り廻って混乱しそうになります。ポイントを挙げた上で、シンプルなサイズ選びの方法をご紹介しておきます。
どんな料理を作りたいか?!
例えば、一人分の野菜を蒸したいなら小さめサイズ、家族みんなで使いたいなら大きめサイズがおすすめとなります。作りたい料理を思い浮かべながら選ぶのが大事です。
鍋との相性を確認!?
蒸籠は鍋の上に置いて使うので、鍋の直径との相性がとても大切。買う前に「うちの鍋に合うかな?」と確認しておきましょう。
蒸し板を使うかどうか!?
蒸し板については、後ほど解説しています。でもやはり、蒸籠を使っていくなら蒸し板は必須な存在です。蒸籠に合わせる蒸し板自体のサイズ感などもみていく必要があります。
「蒸籠本体、蒸し板、鍋のサイズ」早見表で解決!
下記の早見表を使えば、鍋を基準にしてサイズを確認していく方法と、蒸籠を基準にサイズを確認していく方法の2つをとることができます。蒸し板を使わなくても、鍋に対して直のせできるサイズも添えてあります。
ちなみに、蒸し板が大き目サイズを選ぶと蒸気がうまく伝わりにくいのでは?という心配されている方もおられると思います。しかし、ここで紹介している限りでは問題なかったのでご安心ください。実際筆者は、17cmの鍋に30cmの蒸し板を使って27cmの蒸籠を使用しています!たまに18cmの蒸籠も同蒸し板で使用しております。蒸し具合も、今のところ全く問題ございません。
但し書き:蒸し板の内径と外径の関係で、ご紹介した方法に適応しない場合があります。概ね対応できると思いますが、その点はご了承ください。
方法1:お鍋のサイズをもとに選ぶ場合!
方法2:蒸籠のサイズを決めてからお鍋を確認する場合!
実際に早見表をみて選んでみてください!
17cmのお鍋を使う
18cm~20cmのお鍋で使う
21~24cmのお鍋を使う
25cm~26cmのお鍋を使う
さまざまな蒸籠の特徴と選び方が分かったところで、次は調理をよりスムーズにするための、蒸し板の大切な役割についてご紹介します。
蒸し板の重要性について

蒸籠(せいろ)を使う際に、意外と見落とされがちなアイテムが「蒸し板」です。でも、実は蒸し板があるかないかで、蒸籠の使いやすさや仕上がりが大きく変わるんです!蒸し板の役割とその魅力について、詳しくお話ししますね。
蒸し板って何?
蒸し板とは、鍋と蒸籠をつなぐサポートアイテム。主に金属製や竹製の丸い板で、鍋の中に入れてその上に蒸籠を置きます。鍋と蒸籠を直接触れさせないことで、安定感や蒸気の循環を良くする役割を果たします。
蒸し板が大切な3つの理由
1:蒸籠を安定させる
鍋と蒸籠のサイズがピッタリ合っていないと、蒸籠が斜めになったり、グラグラして不安定になりがち。蒸し板を使えば、しっかり安定して調理ができるので安心です。
2:蒸気を効率よく通す
鍋の底から出る蒸気がスムーズに蒸籠内に行き渡ることで、ムラなく均一に蒸し上がります。特に重ねて使う場合、蒸し板があると下の段も上の段もバッチリふっくら仕上がるんです。
3:蒸籠の寿命を延ばす
鍋に直接触れると蒸籠が高温になりすぎて焦げたり、ひび割れたりすることがあります。蒸し板を使うことで熱を分散し、蒸籠のダメージを防げます。
どんな蒸し板を選ぶべきか?
- 金属製の蒸し板(アルミやステンレス製)
耐久性が高く、お手入れも簡単。中華料理店などプロがよく使うタイプです。 - 鍋付きのセットの「付属品蒸し板」
蒸し板が付属品となっているものもある場合は、サイズを選ぶ必要ないので初心者の方にもおすすめです。
下記記事には蒸し板についての一例を書いております!
⇒100均商品のせいろ蒸し板を調査!アルミ素材かステンレス素材の比較検証のまとめ
蒸し板のポイントを理解したら、次は実際に蒸籠を使って調理する流れを、ステップごとにわかりやすくお伝えしますね。
蒸籠蒸しする時の流れ「準備や手順」について

蒸籠(せいろ)は、使い方さえ覚えればとっても簡単で、いろんな料理に使える万能アイテムです。初めての方でも安心して使えるように、準備から使い方、注意点までを詳しくご紹介します!
使い始めの準備
蒸籠を買ってきたら、まずは使い始めの準備をしましょう。これをしておくと、蒸籠を長くきれいに使えるんですよ。
使用前にやるべきこと
- 軽く洗う初めて使うときは、蒸籠をぬるま湯でさっと洗いましょう。洗剤は使わず、柔らかい布やスポンジで軽く拭うだけでOK。
- 水に浸ける使用前に10~15分ほど水に浸けておくと、竹や木が水分を吸い込んで焦げ付きにくくなります
- 陰干しする洗った後は風通しの良い場所でしっかり乾かしてください。これで準備完了です!
基本的な蒸し方の手順
蒸籠蒸しを行う時きは、以下のステップで行ってください!
1 :蒸籠を水で濡らすこと(本体の身のみを十分に濡らし、水が滴らない程度にふき取る)
2 :鍋に湯を沸かす(水はたっぷり9分目がおススメ)
3 :蒸籠に食材を並べる
※蒸し布を引いた上に並べる(クッキングペーパー、キャベツの葉なども可)
4 :湯が沸いたら、食材を並べた蒸籠をセットする
※蒸し板を使う場合は、このタイミングで蒸し板を設置
5 :十分に蒸気が上がるぐらいの火で保つ(強火)
6 :蒸しあがりチェックをして完成!(竹串でつついてやらかさを確認します)
動画解説:蒸籠の使い方
蒸し作業の注意点
蒸籠を使うときは、いくつかの注意点を押さえておくと安心です。
- 空焚きの防止!水が足りなくなると、鍋が焦げたり、蒸籠が焼けてしまう原因に。蒸している間は水の量をこまめにチェックし、足りなくなりそうなら早めに足しましょう。→途中で継ぎ足すのは結構大変なので、お鍋はもとより水が沢山入るほうがいいですよ!
- 食材の配置方法と段数の制限!材量を蒸籠に詰め込みすぎると、均等に蒸気が回らず、ムラができてしまいます。また、蒸籠を重ねる場合は、2~3段までが安全です。それ以上重ねると、蒸気が行き渡らなくなったり、熱が均一に届きにくくなるので注意!
- やけど注意!蒸籠のフタを外す時は熱い蒸気でやけどをしないようにする。鍋づかみや、食材用トングなどを使うのがよいです。
蒸す時の補足情報
中華まんを蒸す時の3つのポイント
- 中華まんなどは、完成してすぐ取り出すと、すぐ乾いてしまいます。蓋をしたまんまで、粗熱をとるのがベストです。
- 冷凍している中華まんを蒸す時は、側面に張り付いている紙をはずしてから、蒸籠にセットしましょう。紙に水分がたまってべちょべちょになります。
- 蒸し布を使った場合、布に肉まんの生地がこびりついてしまいますので、クッキングペーパーに穴をあけたものを敷くのをおススメします。
「肉まんを美味しく蒸したい!」という方への肉まんの蒸し方についての詳細な記事です。
⇒せいろで肉まんを完璧に蒸す方法!肉まんをこよなく愛する人へ
背の高いものを蒸す時は?
本体の片側ひっくり返して重ねて、空間に高さをつくりましょう。3個使いであれば、下段には背の低いものを入れて、空間のできた上段には、背の高いものが入れられます。
※中華蒸籠などは、一段が少し低めなのでこうした使い勝手もありです。
クッキングペーパーを使う時には・・・
仕上がりの段階になると、ペーパーに蒸気の水分が溜まります。なので、ペーパーには穴をあけて使用するとよいです。
調理の手順がお分かりいただけたところで、最後に大切な蒸籠を長持ちさせるためのお手入れと保管方法について見ていきましょう。
蒸籠のお手入れと保管方法について

蒸籠(せいろ)を長く使うためには、正しいお手入れがとても大切です。竹や木でできている蒸籠は繊細な素材なので、ちょっとした工夫でぐっと長持ちさせることができます。ここでは、洗い方から保管方法まで詳しくご紹介します!
洗い方ついて
蒸籠を清潔に保つ基本は「優しく扱うこと」。素材を傷めないためのポイントを押さえておきましょう。
- お湯と柔らかい布でのケアが基本
蒸籠を使った後は、すぐにぬるま湯で濡らした布で拭き取るだけでもOK強い洗剤はNG。汚れが気になる場合は、スポンジなどで軽く拭き取るように洗います。 - におい移りを防ぐコツ
強いにおいのする料理を蒸した後は、お湯に少量の酢を入れて洗うと効果的です。においが気にならなくなりますよ。
動画解説:蒸籠の洗い方
参考知識
酢によるにおい除去のメカニズム
- 酢の酸性による中和作用
食材のにおいの元になる化合物(例えば、魚介類のトリメチルアミンや硫黄化合物)はアルカリ性の性質を持つものが多いです。酢の酸性がこれらと反応し、中和することでにおいが軽減されます。 - 抗菌作用
酢には抗菌効果もあり、においを発生させる細菌の繁殖を抑える働きがあります。このため、においの原因を根本的に減らすことができます。
実際の使用例と効果
- 料理器具への応用
台所のまな板や包丁など、魚やニンニクを使った後のにおい除去に酢がよく使われることが知られています。蒸籠にも同様の効果が期待できます。
保管方法について
蒸籠は乾燥が命です!使い終わった後の保管方法で、寿命が大きく変わります。次の2点を意識して干しましょう。
- 陰干しすること
洗った後は必ず陰干しをしましょう。直射日光に当てると、竹や木がひび割れたり変形する原因に。自然な風でゆっくり乾かすのが理想です。 - 風通しの良い場所を選ぶこと
蒸籠を保管する場所は、湿気が少なく風通しの良い場所がベストです。湿気がこもるとカビの原因になるので、棚の中ではなく、開放的な場所に置くのがおすすめ。
長持ちさせるコツ
そして、蒸籠を長く愛用するためには、以下のポイントが重要です。
- 毎回にお手入れする
使うたびにきちんと洗うことが大切です。 - こまめなチェックを忘れずに
ヒビやカビがないか時々確認しましょう。カビが出た場合は、熱湯をかけて拭き取るなど早めの対応を。 - 適切に乾燥させる
洗った後に完全に乾かさないとカビや劣化の原因に。特に、底の部分はしっかり乾かしてください。
保管の補足情報
木ヤニが出ている時は?
保管の状態によっては、天然樹脂のヤニが発生することがあるようです。(天然樹脂は、香りや光沢を保つことで、木の保存性を高める効果があるそうです。人体には無害)もし、気になる場合は、市販の消毒用アルコール等で拭き取ってください。
カビが出た時の対応は?
カビが付き始めたふわふわした状態の場合は、水洗いしてカビを取ってください。そして、蒸籠に熱湯をかけて消毒をしてください。ただし、放置が続いた場合など、カビの状態によっては、除去ができない場合あります。
損傷を発見した場合は?
よい状態で保管しても、損傷がおこり得る場合があります。その場合は、修理を検討しましょう。修理は、購入元に相談すると対応や紹介をしてもえます。(我が家の場合は、山一さんにお願いします。)
保管の注意点
木製の蒸籠の場合:なかった所について黒いものは、カビが疑われます。 使ったあとはよく乾燥させるなど、注意する。
保管にポリ袋はNG!(虫食いや、カビの繁殖の原因)
まとめ
蒸籠は、油を使わず素材の旨味と栄養を引き出す、健康志向の料理に最適な調理器具です。伝統技法や各材質の特徴を生かした美しい仕上がりや、多段重ねでの使い方など、初心者でも扱いやすい工夫が満載。また、正しいお手入れと保管法により、一生モノとして長く愛用できる点も魅力です。この記事を参考に、読者様のキッチンに蒸籠を取り入れて、日々の食卓をより豊かに彩ってみてください。