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おひつの製造過程に着目「おひつ」の魅力を探る。

本記事は、筆者の体験や考えをもとに綴っている部分も多々あります。一つの視点として読んでいただけると嬉しいです♪

筆者は、製造メーカーである株式会社「山一」製品のファンであります。製造過程を知ると愛用しているおひつに対して、より美観を感じられるようになりました。今回の記事では、そんな美観について製造過程に着目しながら、勝手に思いを纏めてみました

但し書き 本記事でのおひつは、木製の「おひつ」を指します。

 おひつの製造過程

杢目アップ

おひつの製造過程(流れ)

1、原木を玉切りの状態に一年おいておく(木のあく抜き)

2、その木を割り、桶(お櫃の側面となる部位)の曲線に合わせた板材の状態にして、一年ほど干す

3、そうした板材を組み合わせて、飯糊で側板面の形をつくる

4、形ができたら、仕上げ鉋(カンナ)で側板面をなめらかに整える

5、3枚ぐらいの板材を組み合わせて底板面をつくり、はめ込み完成

長い下準備を経て完成するおひつ

上の制作過程から読み取れることは、ある「木」が、おひつとなるまでには切りだされてから最低でも2年以上の歳月がかかるということです。ほとんど時間が、おいたり、干したりという下準備になります。過程の一連の流れを言い換えると、伐ってからすぐには本格的な作業(切ったり、張り合わせたり)をするのではなく、寝かせて、更に寝かせて、いい状態になるよう管理をしていくということだと思います。また、そのぐらいの時間と手間が必要ということですね。こうした長きにわたる管理を敢えて必要としているあたりも、木という性質を理解し正しく扱うための方法が研究され続けてきたからこそだと感じます。我が家にきてくれた「木のおひつ」も、元あった「木」の状態から、多くの時間と手間を要する管理の上で成り立っていることを想像すると、とても味のあるものです。

職人技が与える秩序がある

実際に木のお櫃を手にとって眺めてみると、細部が非常に丁寧に仕上げられていることに気が付きます。木のおひつは、元々違う形の一枚一枚の板材が、職人さんの熟練された技によって張り合わされてようやく完成。もちろん、完成された状態は、寸分たがわぬ美しい形をしているのです。ですが、桶の淵を上から眺めた時には木材ひとつひとつの杢目が違うのです。これをみると、元々は違う木の部位が組み合わさって作られているということをより理解できます。杢目は人の指紋のようなもので、ひとつとして同じものはないそうです。おひつはそうした個性のようなものが職人さんの手によって、丁寧に組み合わさり、新しい機能をもった形となったものといえるでしょう。

まとめ

もともと筆者は、おひつは綺麗なものだと漠然に感じていました。ただ、よりおひつに対して奥深さや美しさを感じることができたのは、職人さんの研究の結晶と技術が重なり合うことを知ってからでした。ますます魅力的になったおひつを今後も大事に扱っていこうと思います。

「福乃部屋」-息づくmono‘ズ日常覚書-