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本記事でのご案内
中華蒸籠の購入をご検討されている方に向けて、中華蒸籠の調理の流れなどをご紹介します。
ちなみに筆者は、せいろの製造メーカーである株式会社「山一」さんの中華蒸籠を愛用しております。
筆者も蒸籠を実際に手に取るまで時間がかかりました。
迷っている方に向けて、背中を押すつもりでご案内できたらと思いました。
蒸籠を使うメリット4選
〇簡単調理
→時間と手間がかからずに、数種類の献立をつくることができる。
調理後は、蒸籠ごと食卓へ並べても美。
〇金属製の蒸し器よりも、熱伝導がやさしい=水分調整してくれる
→ホクホク、もちもち食感を楽しめ、冷めても美味しい。
〇油を使わない
→カロリーや脂質の摂取を抑えられる。
ダイエットや健康志向な方にぴったり。
〇「蒸す」醍醐味を味わう
→食材の風味を逃がさない。(野菜の自然な食感や味を保ちながら調理できる)
蒸籠を使う生活の実際
簡単かつ手間なしの蒸籠蒸し
実際に使い始めるまで、筆者の蒸籠に対するイメージは「敷居が高く扱いが難しそう…」でした。
ここぞという日に引っ張り出してくる特別な道具といったイメージでしょうか。
しかし実際に使用してみると、大好きな蒸籠への特別感はそのままに、それだけではなく「今日は手間をかけたくないなあ…」という日にこそ自然に蒸籠へ手が伸びるようになりました。
中身をお皿に移さずそのまま食卓へ出せるのも蒸籠の醍醐味です。
洗い物を減らせるだけでなく、蒸籠を食卓の中心にするだけで一気に玄人味のある見栄えになります。
そのうえお肉やお魚、お野菜はもちろん、冷凍したご飯やパン、肉まんやシュウマイまで、とにかく「蒸してしまえ!」と勢いだけでやってみても案外うまく仕上があります。
蓋を開けてみたら、あら素敵!!……それが蒸籠マジック(笑)です。
調理の際には10分から15分の蒸し時間が発生するのでその間にもう一品…など、お料理の効率的にも良いのではないかと思います。
蒸籠調理の流れについて
1「蒸籠に入れる食材用意」・「お水のたっぷり入ったお鍋を火にかける」
2「蒸籠へ具材を並べる」
3「お湯が沸騰したらお鍋へセット」
※案外重さが出るので、下の段から順に積み重ねることをおススメします
4「放置(蒸す)」
5「食卓へ」
筆者は、蒸す時間で汁物などを作ることが多いのです。
「今日は気分を変えてみようかな」と思う日には、一品足らなくとも家族のおなかを満たせるよう中華蒸籠さんにいろいろな具材をポンポン詰め込みます。
蒸しあがる様子をコンロの前でボ~~~ッとながめるだけの日もあったりします。
あとはつけダレやお好みの調味料などを数種類用意するだけで、あっという間に丁寧な食卓「風」になるのです!
蒸籠を使う時に知っておくと良いこと
調理時間について
具材により違いはありますが平均15分程度の蒸し時間がかかります。
たしかに一品を仕上げる場合、加熱よりは少し時間のかかる印象はあるかもしれません。
ですが、蒸籠は段を重ねた同時調理でメインと副菜などを同時に仕上げていくことが可能です。
蒸籠の使い方を工夫して、なるべく数種類を一度で作れるよう筆者も心掛けています。
スターターセットの選定作業
蒸籠は、使い始める前に、蒸籠サイズ、鍋サイズ、蒸し板の有無とサイズについてどれにするか決める必要があります。
使いたいと思う鍋は使えるか?我が家にあったサイズは?などなど、吟味していると意外と時間が過ぎていきます。
気づけば蒸籠を買うと決めてから数カ月経っていた…なんてことも。(経験談)
各ご家庭の形態や用途により必要となるサイズは様々です。
大事なことは、用途をイメージして、適したサイズを所持することだと思います。
蒸籠を手に入れるまでに筆者はかなりの時間がかかりました。
「選ぶのが大変だった」と今でも思っております。関連記事には筆者なりの選定方法をご覧いただけるようにしておりますので、ご参考にしていただけますと幸いです♪
中華蒸籠と和蒸籠の違いについて
中華蒸籠の働き
主に蒸す対象
温野菜やシュウマイ、中華まんなどを蒸してそのまま食卓に出すこともできる。
構造
蓋は竹素材などで、編み上げになっている。蒸気を適度に逃がしてくれるため、和蒸籠に比べて水滴が
食材に滴りにくい。
利点
段を重ねて一気に蒸すことができる。
何品も一気に作るときなどに便利!
(最高3段までが推奨とされる=身が3個と蓋1つ)
和蒸籠の働き
主に蒸す対象
和せいろは深さがあるので、茶わん蒸や、高さのある食材をまるごと蒸すのにおすすめとされている。
構造
中華蒸籠と比べると深さがあり、高さのある器を直接入れる時に勝手がいい。蓋は厚みと重みがあり、蒸気を逃がさずに蒸すようになっている。(蒸気の循環の兼ね合いで、身は2つまでが推奨)
利点
中華蒸籠よりも短い時間で蒸すことができる。一度にたくさんのお米を蒸したい場合にも最適!
中華蒸籠と和蒸籠の違い まとめ
中華と和。蒸籠を購入する際、重要な2つの選択肢となるかと思います。
ただ、挙げさせていただいた機能的な特徴についてはあくまでも「向いている」事柄であって、何かについて決定的にどちらがダメという事もないようです。
筆者が中華蒸籠を選んだ理由
筆者が、中華蒸籠を最初に選んだ理由は、中華蒸籠に多機能を感じたからです。
例えば中華蒸籠であっても、器を背の低いものへ変えれば茶わん蒸しなどもつくれます。
更に、本体1つを逆さまにして使用すれば背の高い食材や器も入れることができます。
そうすることで、蒸す対象も幅広く選択することができました。
また、今は身(本体)が2つでも満足していますが、もう一個の身を買い足すことにより、更に一段積むことでの料理レパートリーの追加を考えています。
特徴的違いがあるとすれば、蓋の形や背の高さというビジュアル面です。
両者どちらも甲乙つけがたいですが、その選択は好みでよいと思います♪
蒸籠の身(本体)の追加や修理
前項にて、身の個数によって2段、3段と活用するということをご紹介してまいりました。
一度により多くの料理レパートリーを楽しむために、身を増やしたいなと感じることもあるかと思います。
あるいは、劣化による破損に伴って買い替えるという状況もあるかもしれません。
ただ、この破損ということに関しては、修理が検討できるということも知っておくとよいです。
基本的にはそうした状況になること自体が少ないのですが、使い込んで愛着も湧きます。万が一の場合は、まず購入元への修理相談をすることもよいかと思います。
また、追加での購入や買い替えの場合につきまして、身だけでの購入も可能になりますが、サイズや素材が元の蒸籠と異ならないようにしましょう。
筆者的にも、なるべく同じもので添えるのが見た目にもよいと感じています♪
木の個性を感じること
蒸籠という製品は、天然素材であるが故に未使用の状態であっても写真のような状態を見受けられることもあります。
勿論あまりにも極端な状態は使用に問題をきたす可能性がありますので、対応が必要になるかと思います。
しかし、上記で紹介した内容については、天然の素材を使っているということに折り合いをつけて、個性として楽しむことも必要になってきます。
(写真は我が家の蒸籠です。)
「株式会社 山一」さんの蒸籠
我が家では、山一さんの中華蒸籠を愛用しております。
ここで山一さんの蒸籠について触れておきたいと思います。
実際の工程をみたことはないのですが、作品をみると随所にそれを感じることができました。
中華蒸籠の制作過程(山一さん)
1:木曽のひのきのうすい板を煮る(素材を柔らかくする)
2:板をローラーで丸く曲げていく
3:丸くなった板を層にして重ねて、側壁を厚くしていく
4:多層になった板をステンレスで強力に綴じる
蓋(ふた)について
・蓋は竹を綱代みしてつくる(蒸気の漏れが多くならないように、二層に綱代みを施す)
山一さんは、江戸時代からの伝統技法「鉋仕上げ」にこだわりをもっておられます。
「鉋仕上げ」は量産向けの「バフ仕上げ」ができるに現代において、とても手間と技術のいる作業です。
側面を一目するとつやつやと輝いて、見た目にも美しいです。
木の個性を最大限引き出そうとする職人魂のようなものを感じることができるのも、山一さんの作品ならではかもしれません。
筆者にとっての山一さんの中華蒸籠
「檜」の魅力
蒸籠をつくるために利用される木の素材は、杉、竹、檜があります。我が家で愛用している山一さんの蒸籠は国産の檜を使用しています。
檜の特徴としては、淵が分厚くなっていることで耐久性があり、杉や竹に対して蒸気を逃がしにくい構造となっています。
また、とっても良い香りがします。
正しく大事に使うことによって、一生モノにもなり得るぐらいの強度ということです。
檜は杉や竹に比べ、お値段が多少お高くはなりますが、我が子のようにMonoに心を感じてしまう筆者にとって、「大事に使って一生一緒・・・」ならばという気持ちで清水買いしてしまいました。(笑)
高機能な「のせ蓋タイプ」
我が家で使用している蒸籠は載せ蓋タイプです。
食材がセットできるのは身のほうです。
蓋+身2つという状態で使っています。
セットした時は、下から順に、身と身と蓋という並びの3段です。
この時、実は上2段の部分(身と蓋)の空間は、身と身を重ねた空間より広くなります。
背が低い本体は蒸したものを取り出しやすいという利点がありますが、蓋と身との間にできる空間によって高さのある食材や器も入れることができるのです。
更にのせ蓋タイプでは、本体1つの上に、ひっくり返した本体をおくだけで、更なる高さのある空間をつくることができます。
中華蒸籠は使い用によって、身の低さを十分カバーすることができるのです。
結局良いとこばかりの中華蒸籠
筆者は、使い用によって和蒸籠に対してデメリットになりそうな部分もカバーできながらコンパクトに収まってくれているところにも魅力を感じています。
我が家では「山一さん製造のお櫃と米とぎ桶」と共に並べて保管しているのですが、凛とした佇まいを日々眺めながら、インテリアとしても楽しんでいます。
なので個人的には、最初に買うなら中華蒸籠がオススメです。
まとめ
「蒸籠(せいろ)」は、その重厚な見た目から慎重に扱わなければならない印象を持たれがちですが、実際使ってみるととても易しい道具であることが分かります。
水分と熱を利用する蒸し料理はほかの調理法に比べて様々な栄養素を失いにくいといわれています。
優しい熱で調理するため形も崩れにくく、素材本来のうま味を感じることができます。
また、蒸籠で蒸したお野菜はぐんと甘味が増すので、お野菜が苦手な小さなお子様のいらっしゃるご家庭や、健康志向な方にもおススメです。
蒸籠は、易しさと優しさで日々の暮らしをあたたかく丁寧に彩ってくれる存在です。
当サイトを通して少しでも蒸籠のある生活にご関心をもっていただけますと幸いです。
参考資料等
1 HP:食器と料理道具の専門店「プロキッチン」 (prokitchen.co.jp)
2 HP:株式会社山一 |信州木曽のこだわり木製品の製造・加工【長野県】 (yamaichi-kiso.jp)
3 HP:せいろの選び方|素材・使い方・お手入れ・保管・レシピ -Food for Well-being -かわしま屋のWebメディア- (kawashima-ya.jp)
4 HP: aidcastore
5 HP:蒸し料理の定番「せいろ」のメリット・デメリットを解説 (hochoblog.com)