せいろ蒸しを行う時に使う、せいろ用の「蒸し板」の購入を迷っている人は数多くおられると思います。蒸し板とは、せいろと鍋との間にかませて使うものを指します。ちまたでは、100円均一で「蒸し板」を購入できたという情報を耳にします。実際、そうした100円均一の「蒸し板」がいかなるものかを調査したところ、せいろと鍋にかませて使う蒸し板ではないことが分かりました。本記事では、100円均一の蒸し板の実態や、最適な「蒸し板」を選んでいただくための情報を少しまとめさせていただきました。
また、一般的にステンレス製の「蒸し板」がステンレスの材質特徴を理由に、性能的に良いように言われますが、実際の所はどうなのかを筆者が長年使用した「つきじ常陸屋さんのアルミ蒸し板」を取り上げて考察していますのでご参考にしていただけますと幸いです。
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100円均一で売られている蒸し板について
100円均一として販売されている蒸し板をみていきたいと思います。以下、代表的なショップを挙げた上で、各商品について確認しました。結果から申し上げますと、100円均一の蒸し板と呼ばれるものは蒸し器です。そのため、せいろと鍋の間にかませて使うためのものではありませんでした。ただ、簡単に蒸し料理をつくることができるのでせいろを使っての蒸し料理にこだわらない方にとっては手軽で便利だと感じました。
ダイソーとセリア


セリアさんの蒸し板は独特の形をしています。どうやら蒸籠用ではなくフライパンの中にいれて、肉まんなどをそのまま蒸すようです。ダイソーさんのほうは、蒸し板という名前ではありますがどうやら蒸籠との間にはさむようなものではなさそうです。用途は、鍋やフライパンを使う時に中に入れて使うものであるようです。
キャンドゥ

キャンドゥさんでは蒸し板というものはなく、「蒸し器」という形で販売されているようでした。電子レンジにいれて、食品を蒸す際に使用されるようです。
このように、いずれも100円均一では、蒸し板に代用できるもを見つけることができませんでした。ちなみに、蒸し板の代用ができるものとして「ステンレス製のザル」があるといわれています。ステンレスのザルとはどのようなものなのでしょうか。
ステンレス製のザルは蒸し板の代用になるのか?

無印良品のステンレス平ざる:サイズ 直径22.5cm、高さ3.5cm

貝印のセレクト100浅型ざる:サイズ 直径21cm

家事問屋の盆ザル22:サイズ 直径22.5cm
ステンレスザルは通常の蒸し板と違い、蒸籠にかませて使用する蒸し板の用途として使うのは難しいのかと思います。なぜなら、蒸気がもれる量が多いためです。本来の蒸し板の役割は、蒸気を効率よく蒸籠に伝えることです。その構造的な特徴は、網目が多く蒸気が漏れてしまうザルにはなく、効率的な伝達はできません。また、ザルは淵の部分が短く鍋の淵にサイズが合うものも見つけにくく、せいろを乗せるには不安定な状態になってしまいます。どうやら、調べてみるとフライパンに浅めに水をはった上にザルを敷き、蓋をすることで蒸し器の代わりとして使用する使い方がポピュラーのようです。
蒸し板はどこで、何を購入すべきか?
蒸し板は、楽天市場、amazonをはじめ多くのネットショッピングで求めることができるのです。できるだけ安くといえば、100均で求めるというイメージです。ただ、100均の蒸し板は実際のところ、せいろにかませて使う本来の目的とは違うものでした。また、代用ができると考えられていたステンレス製のザルも、せいろにかませて使うには非効率であることがわかります。では、どうしたものを求めるべきかみていきます。以下、それぞれの蒸し板の特徴や、使用する際に心配なことを挙げた上で、筆者が長年使用した「つきじ常陸屋のアルミ蒸し板」の考察を添えておきますのでご参考になさってください。
アルミとステンレスの蒸し板の特徴について
軽量:アルミはステンレスに比べて軽量で、取り扱いが容易
耐熱性:アルミは熱伝導性に優れている反面、耐熱性はステンレスに劣る
耐熱性:ステンレスはアルミに比べて耐熱性が高いため、高温環境でも変形しにくい
耐久性:ステンレスは強度が高く、長期間使用しても劣化しにくい
錆びにくさ:ステンレスは錆びにくい特性があり、長期間清潔に保つことができる
アルミの蒸し板を使う時に心配なこと
1素材自体が傷つきやすい
アルミは柔らかく、他の素材と比べて傷や凹みがつきやすいです。また、長期間使用していると変形したり、摩耗することがあり、ステンレス製に比べると耐久性が劣ります。
2腐食しやすい
アルミは、酸や塩分にさらされると腐食しやすい性質があります。特に塩分が多い食材を使うと、表面に腐食や変色が生じることがあるため、取り扱いが難しいとされています。
3アルミ臭がつく可能性ある
アルミ素材は、特に新しい状態や高温で使用すると若干のアルミ臭がつくことがあります。これは特に蒸し料理において、食材の風味に影響を与える可能性があります。
4見た目の変形の可能性
アルミ製品は高温にさらされると変色することがあり外見が劣化することがあります。使用後の見た目が気になる可能性があります。
ステンレス製蒸し板を使う時に心配なこと
1他の素材と比べて少し重い
重量が重いことはアルミなどよりハンデとなります。少し重いので、置き場所を少し考えないといけません。
2完全に錆びないわけではない
錆びにくいですが、錆びる可能性がゼロではないです。ステンレスは錆びにくいだけで、完全に錆びないわけではありません。特に塩分や酸性の成分に長時間さらされる環境では、表面が傷ついたり、劣化したりすることで錆びる可能性があるのです。
3お手入れが必要な場合がある
お手入れに関しては、アルミよりも難しい面があります。ステンレスの表面に油汚れや水垢が残ることがあり、特に使用後のお手入れが少し面倒な場合があります。もし気になるという方は落としにくい汚れがついた時には専用のクリーナーを使って落とす必要があります。
アルミ製「つきじ常陸屋さん」の蒸し板を使ってみて

蒸篭を永く、大切に扱いたい方へオススメしたいのが東京築地で60年以上の歴史を誇る国産・手作りの料理道具のお店🔍つきじ常陸屋さんの蒸板です。
蒸板があることで、せいろ専用のお鍋がなくともお手持ちのお鍋を使って蒸し料理を楽しむことができます。(お鍋の持ち手が上に飛び出していると不安定&隙間から蒸気が逃げて蒸せなくなりますので、そこだけは要チェックです)
せいろとお鍋との間にかませて使うものなので、せいろの焦げ付き防止にもなります。
そうとう使い込んだ我が家の蒸板を確認していただくと気づいてもらえるかと思いますが使用後に部分的に黒ずんだり、傷のような白っぽい跡がつく場合もございますこれらはアルミの性質上のものでです。

長年使用した時の外観はこんな感じなのですが、問題なくご使用いただけますのでご安心くださいね。
もしサイズに悩んでおられるのであれば、30cmサイズがこだわりをもって良いと言えます。蒸し板の内径と外径が「せいろのサイズ」と相性抜群だからです。「蒸し板と鍋とせいろとのサイズの兼ね合い」については別記事(🔍せいろを使い始めたい方へ!何からすればいいか!?使い方や選び方まで解説! )でまとめていますのでよろしければご確認ください。

端的にいうと、30cmサイズ蒸し板を所持して、直径が17cm~約28cm前後の範囲にあるお鍋があれば、「せいろサイズ」が18cm~27cmのファミリーサイズまで使えるんです。(筆者は18cmと27cmのせいろをこの蒸し板1枚だけでやり繰りしてます。)
大切な道具を一生ものに…その気持ちの心強い味方になってくれる「縁の下の力持ち」。
蒸板は、そんな存在のように思います。
ご紹介した息づくmono

まとめ
せいろ蒸し料理を安心して美味しく楽しむためには、ただ安価な100円均一の「蒸し板」に頼るのではなく、せいろと鍋の間に正しくフィットし、効率的に蒸気を伝える本来の機能を持った蒸し板を選ぶことが重要です。100円均一の製品がせいろ用としては適していない実態と、アルミ製・ステンレス製それぞれの特徴や注意点について詳しく解説しました。ご自身の使用環境や好みに合わせ、素材のメリット・デメリットをしっかり把握した上で、最適な蒸し板を選ぶことで、より安全で快適なせいろ蒸し料理を楽しみましょう!い
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